県立中1校の歴史、公民教科書 4年前に続き育鵬社版:埼玉 - 東京新聞(2015年8月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20150828/CK2015082802000157.html
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教育委員会は二十七日の定例会で、県立伊奈学園中学校(伊奈町)で来春から使う歴史と公民の教科書に、四年前に引き続き、「新しい歴史教科書をつくる会」の流れをくむ育鵬(いくほう)社版を採択した。使用期間は二〇一六年度から四年間。
委員六人による無記名の投票で、両科目とも四人が育鵬社版を、二人が別の教科書を支持した。採択案を協議した六日の前回定例会では、出版社を特定せずに、委員から「通説ばかりではない視点を得ることが大事だ」(歴史)、「多面的な視野を持ってほしい」(公民)などの意見が出ていた。
採択後、高木康夫教育委員長は育鵬社版について「多角的にものを考えられる教科書を選んだ。内容に懸念があるのは知っているが、いろいろな教科書を含めても『これで満足』というものは見当たらないのが現状だ」と話した。
協議のやり直しを求めていた市民団体「教育と自治・埼玉ネットワーク」共同代表の藤田昌士・元立教大教授(81)は「県民の声を無視した独断的な採択だ」と批判した。 (谷岡聖史)