野田民主党政権、安倍自民党政権を動かすアーミテージ・ナイレポートとは何か。 - 宮武嶺BLOGOS(2015年8月23日)

http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/309dd5f2095a7c8effa39f514d50d2bb

ところで、保守派の方々には評判の悪い民主党政権でしたが、私は野田民主党政権安倍自民党政権が政策面であまりにも似通っていることを政権交代当時から指摘してきました。
そのうえで、安倍政権は靖国神社参拝などタカ派的傾向がより強まっているので、野田政権の劣化版だとしてきました。
さらに言えば、野田首相が、負けるとわかっているのに踏み切った2012年12月の解散は、安倍首相に政権を禅譲したものではないかと私は疑っています。
そのキーワードが野田政権の途中で発表された第3次アーミテージ・ナイレポートです。
同レポートが日本に求めた集団的自衛権行使、武器輸出三原則の廃棄、秘密保護法制定、TPP推進、原発推進などを安倍政権に信託するのが、野田首相の使命だったのだと思います。
これらは全部、野田内閣が先鞭をつけて、安倍政権が仕上げていますよね。
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なぜ安倍内閣は今回の戦争法案で集団的自衛権の行使について、突然、
「ホルムズ海峡での掃海作業」
を言い出したのか。
これも「第3次アーミテージ・ナイレポート」を読むと、はっきりと
「イランがホルムズ海峡を封鎖する意図もしくは兆候を最初に言葉で示した際には、日本は単独で掃海艇を同海峡に派遣すべきである」
と言及しており、それを実現するには、周辺事態法を改正して地球の果てまで行けるようにせざるを得なかった、ということが改めてよくわかります。
レポートは日本の武器輸出三原則の緩和についても指摘していて
「米国は、『武器輸出三原則』の緩和を好機ととらえ、日本の防衛産業に対し、米国のみならずオーストラリアなど他の同盟国に対しても、技術の輸出を行うよう働きかけるべきである」
としています。
ブッシュ政権下で国務副長官を務めたアーミテージ氏は、2001年の9・11テロ後、小泉政権に「Show the FLAG」(旗幟を明らかにしろ)発言をしたとされており(諸説ある)、いずれにしてもイラク戦争への自衛隊派遣を求めたことで有名です。
しかし、もちろん、アーミテージ氏ら個人にそれほどの大きな力があるというのではなく、彼らがアメリカの軍需産業などのスポークスマンになっていることに大きな意味があるのです。