高浜原発差し止め 裁判長を激怒させた関西電力の“禁じ手”- 日刊ゲンダイ(2015年4月17日)

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159107

「福井地裁は(再稼働の可否を決める)原子力規制委の新基準を『ズサンで無効』と判断した。覆すには、判決内容のひとつひとつに具体的に反論する必要があるが、恐らくできないと思う」

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河合弘之弁護士や海渡雄一弁護士はまず、「日本と原発」というドキュメンタリー映画を作成。裁判官とはいえ、原発についてはシロウト。そこで、原発の問題点を裁判官に分かりやすく説明するために有識者にインタビューし、まとめたのだ。いま、全国で原発の差し止め訴訟が起きているが、この映画が裁判所に提出されていて、「伊方原発」運転差し止め訴訟の松山地裁では“異例”の法廷上映会も開かれた。

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「樋口英明裁判長が4月に名古屋家裁に異動することを知った関電は『裁判官忌避』という手段で判決の引き延ばしを図った。裁判長が異動すれば判決も変わると読んだわけです。しかし、これはめったに使われない禁じ手です。なぜなら、裁判長に『失格』の烙印を押す行為だからです。それを関電側は平気で仕掛けてきた。怒った樋口裁判長は『異動するが、この訴訟だけは俺がやる』と職務代行の手続きを取り、仮処分の決定を出したのです」(司法ジャーナリスト)

樋口英明裁判長のような「良心と気概」を持った裁判官が増えてほしいものである。