ひとりメルケル訪日の意味を正しく書いた週刊フライデー天木直人さん-BLOGOS(2015年3月14日)

http://blogos.com/outline/107808/

メルケル独首相の訪日は安倍首相にとって痛烈な衝撃だったに違いない。
なにしろ脱原発歴史認識の二つについて正面から異議を唱えたからだ。
ところが、日本の大手メディアはまったくそのことを書かない。
書いても、過小評価するか、遠回しに言及するかだ。
そんな中で、きのう発売された写真週刊誌フライデーは、「メルケルが安倍に突き付けた『脱原発』と『歴史認識』」という見出しの大きな記事をトップに掲げた。
その記事は、首相公邸で行われた歓迎晩餐会を終え、メルケル首相一行を見送った安倍首相は、疲れた表情を浮かべ、早々と自室に戻っていった、晩餐会の直前に行われた首脳会談がよほどこたえたのだろう、という官邸関係者の証言から始まる。
そして次のように警告を発している。
メルケル首相は思いつきで発言しているわけではない。世界の首脳の日本への危惧を代表して発言しているのだ。しかし日本の反応はあまりにも鈍かった。岸田外相と菅官房長官は、それぞれ記者会見でメルケル発言に反論している・・・
このフライデーの記事で注目すべきは6月にドイツでG7(主要国首脳会議)が開かれることを我々に想起させているところである。
つまり今度のメルケル独首相の訪日は、単に日独二国間関係のために訪日したのではなく、G7の議長国として訪日したのである。
安倍官邸はそのことに気づかねばいけない。
安倍首相の不機嫌さは、自らの政策を批判されたことから来ているのではなく、主要国から見放される危惧に気づき始めたからではないのか。
そうであればまだ正気があるということだ。
正気のあるうちに政策を変えたほうがいい(了)

メルケル首相「日本もドイツのように脱原発すべき」 7年ぶりの訪日前にメッセージ-The Huffington Post(2015年3月8日)

http://huff.to/1KFHoz1

■「安全性が最も重要だ」
井上博士:日本と福島のことについて聞きたいと思います。あなたもご存じのように、2011年の震災で、私の故郷の福島県は大きな被害を受けました。津波原発事故が起きたことで、不幸なことに日本のイメージは悪化しました。イメージを回復するにはどうすればいいと思いますか?
メルケル首相:はい、この恐ろしい事故に私たちは同情しました。そして、ドイツはより早く原子力から撤退するという大きな決定をしました。私たちは再生可能エネルギーに、とても期待しています。私は日本も同じ道を取るべきだと思っています。より良い方向に向かうことだからです。私たちドイツと、日本は協力していけるはずです。
再生可能エネルギーの発展について話しましょう。もちろん、私たちにはいわゆる「ベースロード電源」が必要です。日本も他の島国と同様に資源の問題を抱えています。それゆえに、日本とドイツは原子力に関しては全く同じようにはできないかもしれません。しかし、福島の事故の経験から言えることは、安全性が最も重要だということです。
私は福島の事故を経験したドイツの首相として、できるだけ早く原子力から撤退するようにしています。

メルケル首相「ドイツの日本との関係について」
福島県出身の井上茂義博士(ベルリン工科大学)と対話するメルケル首相(3分30秒ごろから)

日独首脳会談後、両首脳がそろって記者会見
「ドイツは福島の事故を受け、脱原発を決めた。日本も多数の国民が脱原発を希望していると聞いているが、なぜまた原発を動かそうとしているのか(ドイツ語)」に対する安倍首相の答弁
「日本はエネルギーの3分の1を原発が担っている。それが止まった中で、我々はあ〜、え〜石油など化石燃料に頼っている。低廉で安定的なエネルギーを供給していくという責任を果たさなければならばならない。同時に、CO2が排出をされている状況も変えていかなければいけない中において、世界で最も厳しい基準をクリアーしたと原子力規制委員会が判断したものは科学的見地から決めていく訳ですが、再稼働していきたい」(22分45秒ごろから)

メルケル独首相の講演全文-朝日新聞(2015年3月10日)
http://d.hatena.ne.jp/kodomo-hou21/20150310#p5