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『家のない少年たち 親に望まれなかった少年の容赦なきサバイバル』(鈴木大介/太田出版)は、犯罪に走る少年たちの取材を通して、犯罪の陰にある彼らの生い立ちに迫ったものだが、そこで浮かび上がってくるのは彼らの悲惨な家庭環境と孤独だった。
家のない少年たち 親に望まれなかった少年の容赦なきサバイバル
- 作者: 鈴木大介
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2010/12/17
- メディア: 単行本
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著者は何人もの“龍真”的少年に取材するなかで、親に恵まれなかった少年たちに心情をこう代弁している。
〈本当に、本当に、この世は不公平に満ちている。(中略)加害者である犯罪少年たちは、被害者転じての加害者だった。もちろん、加害者である彼らの裏には、被害者がいる。(中略)だが、それを倫理的に批判する人たちに僕は問いたい。僕を含めた市井の大人たちは、彼ら被害者だった子供たちのために何をやれたというのだろう。虐待で叩かれている子どもを見れば、それは誰しもが被害者として認識できる。だがその子どもが腹を減らしてモノを盗んだら、その時点で加害者なのか〉
〈ヤツらの人生の、どこに、どんな選択肢があったっていうのか〉実際、主犯格の少年は「小さい頃はおとなしくて先輩からイジメられていた」との周囲の証言もある。なぜ少年たちは兇悪な人物に変わってしまったのか。
こうした視点で、少年犯罪を検証、考察することが今後重要になってくるはずだ。