戦後70年の重みと責任ーー2015年、今こそ歴史と向き合うために-biz_journal(2015年1月7日)

http://biz-journal.jp/2015/01/post_8497.html
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正月早々、戦争の語り部2人の訃報が報じられた。1人は長崎の原爆で顔にやけどの後遺症を負い、自らの体験を語り伝える活動を続けた片岡ツヨさん(享年93)。もう1人は、沖縄の「ひめゆり学徒隊」の生き残りとして体験を語ってきた元ひめゆり平和祈念資料館副館長の宮城喜久子さん(同86)である。いずれも昨年末に病気で亡くなったとのことだ。
●減りゆく戦争語り部
昨年末、総務省が発表した人口推計によると、日本では80歳以上の人口は約971万人。85歳以上となると約483万人だ。つまり、終戦の時に11歳以上だった人は国民の7.6%、16歳以上だった人はわずか3.8%ということである。このうち、昔の記憶がはっきりしていて、語ることができる人はどれくらいだろうか。とりわけ戦場の体験者となると、90歳前後ということになるだろうから、証言者を探すことは、至難の業だ。
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 だからこそ今年は、という思いが強い。私にとって、当面の課題は2つ。

  1. 日中戦争も含め、いわゆる「大東亜戦争」と呼ばれた戦いの経緯、起きたことについての知識を深める。特に、戦いが本格化するまでにメディアと国民が果たした役割を考え、アジアで与えた被害を認識する。
  2. その被害に対し、戦後の日本が(日本人が)どのように向き合い、あるいは向き合わなかったかについて知り、日本の戦後責任を考えると共に、そのために尽くされた先輩たちの努力を思う。

 過去を学びながら、未来を思い、そして今何をするべきか。それを考える年にしたい。ただ、今年いっぱいで結論を出さなければならない、期限付きの課題ではない。欲張らず、焦らず、ぼちぼちといきたい。
(文=江川紹子/ジャーナリスト)