止まらぬ不信、不安 特定秘密保護法施行まで1カ月-東京新聞(2014年11月9日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/list/CK2014110902000179.html
http://megalodon.jp/2014-1110-1017-10/www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/list/CK2014110902000179.html

◆国民への説明不足
人々が知らないうちに「知る権利」が阻害されるかもしれない。NPO法人「情報公開クリアリングハウス」(東京)理事長の三木由希子さん(41)は、こう指摘する。
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「内部の締め付けで情報が抑えられる一方、秘密の拡大を監視する有効な手だてが講じられていない。国民の懸念が解消されていない中での施行は拙速すぎる」

◆精神科通院で差別懸念
公務員や官庁と契約した民間業者に対する適性評価項目には、精神疾患の有無が含まれる。
日本精神神経学会の法委員長を務める多摩あおば病院(東京都東村山市)の富田三樹生(みきお)院長(71)は「政府は精神疾患の人が『自己を律することができない』と考えているようだが、医学的根拠はない。精神科に通う人への差別、排除につながる」と憤る。
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対象者に精神科の受診歴がある場合、省庁などは診察医に照会する。「守秘義務のある医師が患者情報を第三者に提供するのは、休職証明など患者の利益になる場合に限られる。その根底が覆される」。富田さんは患者との信頼関係が崩れ、受診の抑制につながりかねないと指摘する。

◆元外国人 就職不利益も
日本国籍を取得すれば、元外国人を区別しないというのが法律上の建前だったはず。でも、特定秘密保護法はそうじゃない」
在日コリアン弁護士協会代表の金竜介弁護士(49)=東京弁護士会=が問題視するのは、特定秘密を扱う本人や家族が元外国人だった場合、以前の国籍も調査する点だ。
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金さんも在日三世で日本国籍を取得した。「元外国人というだけでテロとの関わりが疑われる。特定秘密を扱う企業などは、日本国籍を取得した在日コリアンでさえ、採用しないのでは」と、就職などでの差別拡大を心配している。