大学中退 粗悪な学びの“安全網”-東京新聞(2014年10月16日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014101602000147.html
http://megalodon.jp/2014-1016-1549-39/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014101602000147.html

問題なのは、国の奨学金だ。貸与型のみで、返済不要の給付型がない。しかも、無利子より有利子の貸出枠の方が大きく、大学進学を諦めたり、卒業後の返済に行き詰まったりする若者が大勢いる。

収入の多寡に応じ、毎月の返還額を柔軟に変えられる仕組みも検討されてはいる。だが、借金を背負って社会に出ることに違いはなく、人生設計の足かせになる。

多くの先進国では大学授業料が無償だったり、公的な給付型奨学金が出たりする。ノルウェーフィンランドなど北欧諸国はよく知られる。日本も家庭の財布への依存度を引き下げるべきだ。

目先の経済成長にとらわれ、次世代への投資を怠っては未来は開けない。高等教育の無償化は、教育基本法や子どもの貧困対策法の要請であるだけでなく、国際人権規約に基づく国際公約でもある。