少年法の適用年齢を18歳未満に引き下げてよいのか。成人年齢を引き下げる改正民法の施行を前に焦点になっている。少年事件に40年にわたりかかわってきた石井小夜子弁護士は「罪を犯した少年は背景を丹念に調べ、更生に導く制度から若年層を外してはならない」と引き下げに反対する。(宮川剛)
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罪責争う刑事裁判では限界
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「裁判官は(戦後の中国残留)帰国者のつらさをどれくらい知っているのか尋ねてみてください」石井弁護士から手紙を渡された家裁裁判官は、小さな審判廷で少年や父母と向き合った。(家裁裁判官は)「大変だったね」と声をかけ、少年や一家の苦労に耳を傾けた。
「裁判官がわかってくれたと感じたとき、少年も家庭も変わる。有罪か無罪か、罪の重さのみ問う刑事裁判ではこうした過程はない」
少年法は更生に機能してきた。....
- 作者: 石井小夜子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/12/20
- メディア: 新書
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