<金口木舌>本土にも配備できます - 琉球新報(2023年11月3日)

https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2439187.html

差別である。米軍の無人偵察機MQ9が米空軍嘉手納基地に飛来し、今月から本格運用を始める。嘉手納の前にいた鹿児島県鹿屋市では「1年限り」を条件とした一時展開とされたのに、沖縄では寸前の配備発表で、しかも期間は無期限だ

▼学校生活で「最初の1日だけ」という約束で別の人が掃除当番をし、残りはずっと特定の子だけに押し付けるようなものだ
▼この機体、滞空時間が30時間以上もある。拠点が沖縄でなければ運用できない理由はない。実際に鹿児島で1年運用した
▼日本とは違い、米軍はイタリアやドイツに国内法を守る条件で駐留している。差別的対応ではないか。加えて沖縄では政府による差別がある。国内で二重の差別を受けているのだから、たまらない
▼差別と開き直りのヘイトスピーチを直視しなければ、基地問題の根本的解決は訪れない。嘉手納基地の周辺自治体はこの無人機の滞在条件は本土の1県と同じ「1年限り」と突き付けてはどうか。日米がこの地を差別していないかどうか、回答で明らかになるはずだ。