【政界地獄耳】「TikTok」の危険性 3年前から警告の米とのんきな日本と - 日刊スポーツ(2023年3月21日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202303210000069.html

★日本でも若者を中心に大人気の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の中国の親会社バイトダンスが米メディアの記者の位置情報などを監視していた疑いがあるとして、米司法省と米連邦捜査局(FBI)が捜査を開始。バイデン政権がバイトダンスにティックトックの売却を要求し、応じなければ米国内での使用禁止の可能性を示唆している。8日、上院情報委員会の公聴会ではFBIのレイ長官や中央情報局(CIA)のバーンズ長官、国家安全保障局NSA)のナカソネ局長らが中国政府による利用者のデータ収集だけでなく、中国にとって都合の良いプロパガンダ(政治宣伝)の道具として使われる可能性があると指摘。レイ長官は「技術と経済は国家の安全保障と切っても切れない関係」と発言している。

★米国や欧州委員会が職員用のスマートフォンで「ティックトック」の利用を禁止したことについて、日本では2月27日、官房長官松野博一も「サイバーセキュリティーの確固」を理由に「公用端末では、ティックトックを含むSNSの利用を禁じている」と明かした。だが最初にティックトックの危険性を発信したのは20年7月、トランプ政権のポンペオ米国務長官だ。結果、米上院の国土安全保障・政府活動委員会は21年5月、連邦職員が政府の端末にティックトックをダウンロードすることを禁止する法案を全会一致で可決した。その間、米当局から「インストールしていれば情報は抜かれる」と強い警告が発せられているはずだが、日本は随分とのんきなものだ。紙資料である行政文書の信ぴょう性だけで既に国会で半月以上費やしているが、結論も出ないどころか大臣レクがあったかどうか、首相と総務相の電話会談があったかどうかはいまだ不明。こんな国と情報共有していていいのか。(K)※敬称略