<金口木舌>移民への共感と助け合いを - 琉球新報(2022年11月10日)

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移民政策も争点になった米国中間選挙。驚くような報道が選挙前にされていた。南部の共和党の知事が、ベネズエラなどからの移民を民主党地盤の町にバスで送り込んだ

▼バイデン政権は、ベネズエラ移民をメキシコに強制的に送り返す措置に乗り出した。ベネズエラ苦境の背景には、反米左派政権への米国の経済制裁がある。国民は極貧にあえぎ、数百万人が国を離れた
▼米国までの徒歩での道のり、特にコロンビアとパナマの間のダリエン地峡越えは過酷だ。子どもや家族連れも、恐喝や性的暴行、病気の危険にさらされ、死者が相次ぐ悲惨な状況だという
▼移民といえば、先般の第7回世界のウチナーンチュ大会では多くの人が里帰りし、沖縄の肝心と絆を実感した。移民の苦労体験から助け合ってきた世界のウチナーンチュに学ぶことは多い
▼沖縄にはアジアや南米などからの移民もいる。ミャンマー人は母国での軍の弾圧に心を痛める。苦境にある時こそ言葉や国境を越え、難民や移民の立場に立って助け合いたい。沖縄にはその土壌がある。