https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202207270000074.html
★東京オリンピック・パラリンピック開催からもう1年になる。同組織委員会元理事・高橋治之が在任中、大会スポンサーだった紳士服大手「AOKIホールディングス」側から4500万円超を受領したとされる疑惑で、26日午前、東京地検特捜部は高橋宅の捜索に着手した。また高橋が専務をしていた「電通」にも捜索を始めた。組織委員会理事はみなし公務員に当たるので収賄の容疑が濃厚だ。
★思えば18年12月、フランス検察当局が東京オリンピック・パラリンピックの招致活動で、仏当局は招致委がシンガポールのコンサルタント会社、ブラック・タイディングズ(BT)社に支払った約2億3000万円が国際オリンピック委員会(IOC)委員側への贈賄に使われたとみている。その買収工作をした疑いで、当時の招致委員会理事長・竹田恒和を贈賄容疑で本格捜査を開始。竹田は疑惑を否定するものの騒動の責任をとって辞任した。この時、高橋の名前が初めて注目された。2人は組織と運営という側面で二人三脚の関係だった。
★昨年8月、朝日新聞は竹田の弁護費用が「20年度までの3年間で約2億円に上り、その全額を日本オリンピック委員会(JOC)が負担していることがわかった。捜査終結まで負担するという」と報じた。多くのほころびが見えてきているが、9月27日に予定される元首相・安倍晋三の「国葬」は捜査対象の「電通」が執り行うという。辞退はしないものなのか。また30年には札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会誘致のため、日本オリンピック委員会は疑惑の最中にもかかわらず、招致活動を続けている。札幌市の開催概要では約3000億の開催経費といわれているが、東京大会も大きく膨らんだ。来年春の札幌市長選は、既にこの経費問題が争点化している。この事件は道民の不安に拍車をかけるだけなのか。(K)※敬称略