<金口木舌>トートーメーと男女平等 - 琉球新報(2022年3月8日)

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沖縄群島政府知事として日本復帰運動を推進した平良辰雄氏など、著名なリーダーを輩出した大宜味村。1905年に村根路銘で生まれた宮里悦さんは県婦人連合会会長を務めた女性リーダーだ

▼「婦人が立ち上がってこそ、沖縄も復興する」。宮里さんは身近な男女差別をなくすことが社会の発展につながると訴え、女性のトートーメー継承や雇用機会の男女平等などの実現に尽力した
▼本紙が実施した2021年の県民意識調査で、トートーメー継承について「男女どちらが継いでもいい」との回答が7割近くに達した。ジェンダー平等の意識が浸透した結果とも言える
▼だが、直近の本紙ウェブアンケートによると実際に継いでいるのは「長男」が65.3%で最多。男女平等社会の実現は日本全体でもほど遠い。欧州シンクタンクが発表した男女平等ランキングで日本は156カ国中120位
▼今日は国際女性デー。社会の前進に尽くした先人に感謝しつつ、誰もが住みよい社会の実現に向け、身の回りの性差別をなくす決意を新たにする日だ。