【政界地獄耳】「テラ」「大樹」は一大疑獄の入り口か 事件の広がりは政界の最大関心事 - 日刊スポーツ(2022年3月2日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202203020000050.html

★2月22日、衆院で来年度予算案が可決した直後の着手といってもいいだろう。24日、証券取引等監視委員会東京地検に告発、ジャスダック上場の医療ベンチャー「テラ」の新型コロナウイルス治療薬開発を巡るインサイダー取引で警視庁捜査2課が医療コンサルティング会社「セネジェニックス・ジャパン」の元役員を金融商品取引法違反(偽計)などの疑いで逮捕した。

★翌25日のニュースサイト・ハンターによれば「25日午前11時55分頃、段ボールを抱えた東京地検特捜部の職員10人ほどが、東京都内にあるコンサルタント会社『大樹総研』の家宅捜索に入った」とある。与野党や官界に広い人脈を持ち、多くの政治家や首長のタニマチといわれる「大樹」に一連の報道では捜査2課、証券取引等監視委員会東京地検特捜部が合同で捜査している模様だ。これは複数の政界大物も関与しているといわれる一大疑獄への入り口ともみられ、メディアは社会部、政治部、経済部が固唾(かたず)をのんでいるが、どこからも続報がない。ハンターの記事を追いかける記事も見当たらない。ただメディアは数年前からの一連のテラや大樹の動きを綿密に追いかけており、次の一手が何か、捜査の目的はどこにあるのか、政界への波及はあるのかと手ぐすねを引いている。

★政界関係者が言う。「公明党の元財務副大臣遠山清彦事件の延長線上にあると注目されているが、経済安保推進法案との関連が気になる。25日に政府は官民の経済安全保障対策を抜本的に強化する閣議決定している。これは経済や技術開発で覇権を争う海外からの防衛策と思われがちだが、半導体などに加え医薬品などを特定重要物資に指定されていることもポイントではないか」。事件がどう広がるか、政界の最大関心事だ。(K)※敬称略