【政界地獄耳】「人権人権って馬鹿じゃなかろうか」問われる自民の人権意識 - 日刊スポーツ(2021年12月21日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202112210000066.html

★17日、自民党政調会長高市早苗らは中国を念頭にした人権侵害への非難決議案を臨時国会で採択するよう幹事長・茂木敏充に求めたが「今はタイミングではない」と拒否された。高市内モンゴルの人権問題に取り組む議員連盟会長の肩書で幹事長に申し入れたという。党三役がすり合わせもせず門前払いすることにも驚くが、本当に自民党は他国の人権問題をうんぬんする立場だろうか。高市は「臨時国会こそはと思って公明党との文言の調整も含めてやってきた。大変悔しい。本当は(採択は)今のタイミングだ」とした。

★19日にはテレビで外相・林芳正が来年2月の北京冬季オリンピックへの対応について「人権の状況も含めて判断していくことになろうかと思う」とあいまいな説明をしている。一方で自民党タカ派は「人権人権ってばかじゃなかろうか」と発言するなど、自民党改憲案には「基本的人権」は割愛の対象のようで自民党がそんなに人権に向き合っているとは思えない。森友学園事件で、財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫が公文書の改ざんを命じられたのを苦に自殺、妻が損害賠償を求めていた裁判で、財務省は訴えを認諾するとした。17日の朝日社説は「人間の尊厳を踏みにじるような政府の対応に、強い憤りを感じる」と踏み込んだ。

★2013年8月、オスプレイ配備に慎重論を唱える琉球新報社説は「米軍の事件や事故が繰り返される日常では、心の傷を癒やすことも難しい。県民には最低限の人権すら認められないのか」と書いたが、国内にも人権を踏みにじられたり無視されたりしている事例が山ほどある。それを後回しに“政治的”に人権を利用することは権力のご都合主義ではなかろうか。中国の人権を問うならば、国内にも同等の目を向けるべきだ。(K)※敬称略

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