<金口木舌>危機だからこそ芸能の喜びを - 琉球新報(2020年4月4日)

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俳優のガル・ガドットさんら著名人24人がジョン・レノンの名曲「イマジン」をリレー形式で歌う動画が話題になっている。ガドットさんのインスタグラムで発信され、俳優のナタリー・ポートマンさん、コメディエンヌのクリステン・ウィグさんも出演する
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い外出の難しい人を励まそうと制作された。「イマジン」の歌詞の最後は「世界はきっと一つになる」。歌声を聴くと暗い気持ちが和らぐ
▼「ぬちぬぐすーじさびら(命のお祝いをしましょう)」。沖縄戦で打ちひしがれた県民を励ましたのが小那覇舞天だ。終戦直後、家々を回り、人々を歌や三線で勇気づけた。危機の時代にこそ芸能や芸術は欠かせない
新型コロナウイルス感染拡大を受け音楽公演や演劇、イベントの中止・延期が相次いでいる。琉球新報社の調べでは、政府が最初にイベントの自粛を要請した2月26日から約20日間に県内で中止になったイベントは少なくとも劇場で81件、ライブハウスで20件あった
▼密閉空間と集団は感染リスクが高いといわれる。感染を防ぐためやむを得ない面はあるが、芸能の担い手たちの経済的な損失、劇場・ライブハウスの運営への影響は計り知れない
▼芸能や芸術は心のよりどころになる。感染を防ぎながら、芸能や芸術の喜びを体感できる方法はないものか。知恵を絞る時期に来ている。