いじめ加害の2人に賠償命令 大津地裁 中2自殺「予見できた」 - 東京新聞(2019年2月20日)

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二〇一一年十月に大津市の市立中二年の男子生徒=当時(13)=が自殺したのはいじめが原因だとして、遺族が加害者側の元同級生三人と保護者に慰謝料など計約三千八百五十万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大津地裁(西岡繁靖裁判長)は十九日「いじめが自殺の原因になった」と認め、元同級生二人に計約三千七百五十万円の支払いを命じた。
判決は、二人が自殺を予見できたとも指摘。弁護団は、因果関係と予見可能性を認め賠償を命じるのは異例とし「いじめ被害救済に司法が大きくかじを切った」と評価。この問題はいじめ防止対策推進法成立のきっかけとなり、発生から七年で大きな節目を迎えた。
判決理由で裁判長は「元同級生二人による顔面の殴打やハチの死骸を食べさせようとするなどの暴行がエスカレートした」といじめを認定。「友人関係の崩壊や上下関係の固定化に伴い生徒は強い孤立感や絶望感を抱き、死にたいと願うようになった」と指摘した。
その上で、二人は生徒の自殺を予見できたとし、加害行為と自殺の因果関係を認めた。
残りの元同級生一人は関与の度合いが低く、保護者もいじめを認識していたとは言えないとし、賠償責任を否定した。
訴訟で元同級生側は、行為の一部を認めた上で、「遊びの延長で、いじめとは思わなかった」と反論した。
判決などによると、男子生徒は一一年十月十一日、自宅マンションから飛び降り死亡。遺族は一二年、元同級生側と市に約七千七百万円の賠償を求め提訴。滋賀県警は元同級生三人を暴行容疑で書類送検し、大津家裁は二人を保護観察処分、一人を不処分とした。
市は一五年、自殺を防げなかった過失責任を認め千三百万円を支払うなどの内容で和解。元同級生側との訴訟が分離され続いていた。