https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/372632
https://megalodon.jp/2019-0116-1032-53/https://www.okinawatimes.co.jp:443/articles/-/372632
「予算案を否決することに全力を尽くすべきである」−。名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票を巡って、保守系議員らの勉強会などで配布された複数の資料。その内容にがくぜんとした
▼自民党の宮崎政久衆院議員が作成した文書で、予算案を否決する道筋を示すような中身だ。「議員が損害賠償などの法的な責任を負うことはない」「費用対効果から実施の意味がない」などの意見も書かれている
▼「勉強」の場とはいえ、否決する側の不安を拭うような内容になっており、投票する権利を持つ住民をないがしろにしていると言わざるをえない
▼そもそも県民投票は、住民の直接請求によって制定された条例に基づいて行われる。選挙権を持つ18歳以上が投票でき、自らの意思を示すことができる。その権利自体を入り口で奪うことを“指南”するような動きは到底許されるものではない
▼資料では議会が予算案を否決した場合、それに反して市町村長が予算案を執行することは「議会軽視で、不適切」との考えも示す。県民投票への不参加を表明している首長らが挙げる理由とも合致する
▼いわずもがなだが、今回の県民投票で埋め立ての賛否について意思を示すことも、示さないことも有権者の自由であり、選択である。ただ、そのことを決めるのは議員でも首長でもない。(赤嶺由紀子)