<税を追う>防衛省補正案、最大規模 2次3653億円 兵器ローン返済に - 東京新聞(2018年12月13日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018121302000162.html
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防衛省が二〇一八年度の第二次補正予算案として、過去最大規模の三千六百五十三億円を要求していることが分かった。安倍政権になって「後年度負担」と呼ばれる兵器ローンが増大。現在編成中の一九年度予算で要求枠より事実上二千億円超過することになるため、前倒しをして兵器ローンの返済に充てる考えだ。先月成立した一次補正と合わせると、一八年度補正予算は昨年度の倍近い四千二百億円に膨らみ、歯止めがきかない状況になっている。 (「税を追う」取材班)
十二日に開かれた自民党の国防部会で、防衛省が説明した。二次補正予算の大半を占める三千百七十七億円を、過去に購入した哨戒機P1や哨戒ヘリコプターSH60K、輸送機C2のローン返済などに充てる。一九年度に支払う予定だったのを一八年度補正予算で支払うことで、一九年度予算を減額したい考え。
第二次補正予算案は一九年度予算案とともに来年の通常国会に提出される。認められれば一八年度の補正予算額は四千二百億円となり、東日本大震災や台風・豪雨災害に対応した一一年度を八百億円上回る。当初予算を合わせると、一八年度予算は五兆六千百十一億円となり、過去最高だった前年を約二千五百億円上回る。
防衛省は一八年度の第二次補正予算で隊舎や宿舎の整備も検討しており、さらに増える可能性がある。
安倍政権は米国政府の「対外有償軍事援助(FMS)」に基づく高額兵器の輸入を拡大。一九年度のローン残高見通しは五兆三千三百七十二億円と、六年間で約二兆一千億円も増加。国産兵器を含めた一九年度のローン返済額は二兆七百八億円に達していた。
防衛省は一九年度予算で過去最大の五兆二千九百八十六億円を要求しているが、ローン返済額と人件費・糧食費で全体の八割を占め、新たな兵器の購入に充てる「自由枠」は二割しかなかった。そのため、例年は二千億円程度を盛り込む米軍再編関係費を要求額に盛り込まず、その分の削減を迫られていた。
防衛省は先月初め、国内の防衛関連企業六十二社に防衛装備品代金の二〜四年の支払い延期を要請した。防衛省は要請した総額を明らかにしていないが、企業側が反発し、十億円程度しか延期できるめどが立っていなかった。そのため、補正予算を過去最大規模に増大させたとみられる。