入管法改正案が衆院通過 野党「拙速」8党派反対 - 東京新聞(2018年11月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201811/CK2018112802000169.html
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外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法などの改正案が二十七日の衆院本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、参院に送付された。政府・与党は二十八日の参院審議入りを図り、十二月十日までの今国会中の成立を目指す。 (木谷孝洋)
立憲民主、国民民主、衆院会派「無所属の会」、共産、自由、社民、希望、衆院会派「未来日本」の野党八党派は、低賃金が指摘される外国人技能実習生の労働実態の解明が不十分なまま採決するのは拙速だなどとして改正案に反対した。
本会議の討論で立民の山尾志桜里(しおり)氏は、失踪した実習生の法務省調査で理由を「より高い賃金を求めて」とした割合が約87%から約67%に訂正されたことを受け「外国人の深刻な人権、労働問題がある。虚偽データの発覚で問題に光が当たり始めた」と指摘。自民の平沢勝栄氏は「ほとんどの実習生は真摯(しんし)に実習に取り組み、制度は適切に運用されている」として、深刻な人手不足を理由に改正案成立の必要性を強調した。
これに先立つ衆院法務委員会の採決では、立民などの野党四党派が葉梨康弘委員長(自民)の席を取り囲み強く抗議した。与党などが採決を強行し、改正案を本会議に緊急上程した。委員会での質疑時間は十五時間四十五分だった。
野党六党派が提出した山下貴司法相の不信任決議案は、衆院本会議で与党などの反対多数で否決された。
改正案は高度な専門職に限定してきた外国人の受け入れを単純労働にも拡大。新たな在留資格として、一定程度の技能が必要な「特定技能1号」と、熟練した技能が必要な「特定技能2号」を設ける。1号は在留期限が五年、2号は期限の更新が可能で配偶者と子どもを帯同できる。政府は1号の受け入れ人数を五年間で最大約三十四万人と試算している。
与党と維新は、改正案の付則に定めた法施行後の見直し期間を三年から二年に短縮する修正で合意した。