http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018100402000133.html
https://megalodon.jp/2018-1004-1121-42/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018100402000133.html
共働きやひとり親家庭の小学生が放課後を過ごす放課後児童クラブ(学童保育)を定員オーバーなどで利用できなかった待機児童は、五月一日時点で過去最多の一万六千九百五十七人に上ったことが三日、全国学童保育連絡協議会の調査で分かった。共働き家庭の増加で、保育所と同様に学童保育の需要も高まっており、同協議会は「安心して過ごせる学童保育の整備が急務だ」と訴えている。
学童保育は二〇一五年に始まった新しい子育て支援制度に基づき、国の基準に沿って市区町村が運営している。新制度で四年生以上の高学年も利用できるようになり、各自治体も整備を進めており、利用した児童も昨年より六万三千人増の百二十一万千五百二十二人だった。
しかし、待機児童の数を把握していない自治体もあり、同協議会は「実態はさらに多い」とみている。国も今年九月、二三年度末までに計約三十万人分の受け皿を整備する方針を示している。
一方、保育の質に対する懸念も浮き彫りに。国は児童が子ども同士や指導員との間で信頼関係を築ける規模として、一カ所で預かる適正な児童数を「おおむね四十人以下」と示しているが、四十一人以上の大規模な施設が37%あった。
また、現在は保育士などの資格を持ち、認定研修を受けた「放課後児童支援員」を原則、一カ所に二人以上配置することが義務付けられている一方で、「人材確保が難しい」との声を受けて基準を緩和する動きもある。
同協議会は「指導員不足の背景には、不安定な雇用や待遇の悪さなどがある。専門的な知識と技能を持つ専任指導員を複数配置することは、子どもの安全や発達を守るために必要だ」と指摘している。
調査は全国の千七百四十一のすべての市区町村からの回答を集計した。 (小林由比)