<金口木舌>重すぎる荷物 - 琉球新報(2018年10月4日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-813435.html
http://archive.today/2018.10.04-023122/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-813435.html

米兵に話し掛ける背広姿の男性。後ろには、重い荷物を背負わされた男性が疲労困憊(こんぱい)の表情を浮かべている

▼「日米同盟」の紙切れを握り締めている背広姿の男性は「NODA」と書かれており、当時首相だった野田佳彦氏を指している。やせ細った男性には「OKINAWA」の文字が見えるが、首相が気にする様子はない。6年前、米有力紙ニューヨーク・タイムズに載った風刺画だ
▼端的に日米の力関係と沖縄の現状を表していると感心した。翁長雄志氏は「沖縄が日本に甘えているのか。日本(本土)が沖縄に甘えているのか」と疑問を呈したが、風刺画を見るまでもなく答えは明らかだろう
玉城デニー氏は「辺野古に新たな基地を造らせない」と強調した。これを受け、菅義偉(すがよしひで)官房長官は「早期に辺野古への移設を実現したい」と応酬している。全く話が通じない
▼2月の名護市長選では移設推進の安倍政権が推す渡具知武豊氏が当選した。その際、菅氏は「選挙は結果が全てだ。相手候補は必死に埋め立て阻止を訴えたのではないか」と述べた。今回の知事選は「結果が全て」ではないのか
普天間問題の原点は危険性除去だが、沖縄側が県内に移設してくださいと頼んだことはない。「負担が重すぎてこれ以上は抱えきれない」というのが原点だ。きょう就任する玉城新知事は決してこのことを忘れはしまい。