(政界地獄耳)尾崎行雄も泣く?乱暴な公文書館計画 - 日刊スポーツ(2018年9月7日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201809070000231.html
http://archive.today/2018.09.07-072255/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201809070000231.html

★元首相・福田康夫が主導した「公文書等の管理に関する法律」は安倍内閣のでたらめな方針に官僚たちも追随して骨抜きにされているが、一方で新国立公文書館の建設が計画されている。むろん公文書を守るための公文書館建設は当然だが、議事録不要を言い出す中央官庁のダブルスタンダードにもあきれる。

★5日、国会正門前にある国会前庭公園の中にある憲政記念館公益社団法人日本建築家協会の面々が集まり「新国立公文書館の建設と憲政記念館の行方−その歴史的、建築的価値をめぐってPART2」という会合が開かれた。立憲政治の黎明(れいめい)期から戦後まで当選25回を誇った政治家・尾崎行雄の功績をたたえ一般市民からの浄財を募って建てられた尾崎記念館。竣工(しゅんこう)後、衆院に寄贈して72年に憲政記念館となり、現在は衆院が管理している。この場所は江戸時代初期には加藤清正が屋敷を、幕末には井伊直弼が住み、明治時代には参謀本部陸軍省が置かれていた。戦争とは無縁でない場所だからこそ、戦後民主主義と立憲政治によった尾崎行雄を記念する場所にふさわしい。

★ところが今年5月、ここに新たな公文書館建設の話が持ち上がった。日本の建築家たちはこの憲政記念館の歴史的意味のみならず、建築物としての品格ある外観の価値などから公文書館は別の場所でもいいのではないかと訴える。政治的団体でもない建築家協会が声を上げたことの意味は大きいが、戦後民主主義を守れとも聞こえる。周辺には三宅坂の旧社民党党本部、国会見学用バス駐車場など立地に適した“空間”も存在する。衆院関係者が言う。「バス駐車場は国会図書館横で国会図書館が増設を望んでいる。社民党本部跡は国会警備の出先として警視庁が待機施設として狙っている。そこで憲政記念館を壊すプランが浮上した」。ずさんな公文書の扱いで公文書館も乱暴な計画になりつつある。しかし、この建築家らの会合に国会議員はまだ1人も参加していないという。(K)※敬称略