島根原発3号機の審査申請 中国電、規制委に - 日本経済新聞(2018年8月10日)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34037580Q8A810C1EAF000/
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中国電力は10日、島根原子力発電所3号機(松江市)の新規稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請した。建設中の原発の申請はJパワー大間原発青森県大間町)に続き2例目。建物や設備はほぼ完成している。審査の進捗によっては、東日本大震災後に新規稼働する初の原発となる可能性がある。
10日午前に北野立夫常務執行役員が規制庁を訪れ、申請書を手渡した。申請後、北野氏は現在審査中の島根2号機に触れつつ「まずは2号機を優先して審査してもらいたい」とした上で「2号機に集中することが3号機の早期稼働につながるとみている。老朽発電所の代替電源として一刻も早く3号機を稼働させたい」と話した。
島根原発は国内原発で唯一県庁所在地にある。東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)だ。2号機は今年2月に耐震設計の目安となる基準地震動が決まった。中国電は2号機に隣接する3号機も同じ基準地震動になるとみている。昨年審査に合格した同型の東電柏崎刈羽原発新潟県)などを参考にした安全対策工事も2019年度上期中に終える。
国電は発電設備の老朽化が進む。20年代半ばには運転開始40年を超える火力発電所が500万キロワットに達する。石炭、原油など燃料価格の上昇で18年4〜6月期決算は5年ぶりの最終赤字だった。自由化以降、関西電力や新電力との競争も激しい。収益や温暖化ガスの削減を考慮し、早期の原発稼働を目指す。