(政界地獄耳)森と安倍、いまさら何を言うのか… - 日刊スポーツ(2018年8月9日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201808090000238.html
http://archive.today/2018.08.09-011400/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201808090000238.html

★7日、東京五輪パラリンピック組織委員会会長・森喜朗、同会長代行・遠藤利明と首相・安倍晋三が会談し、大会に合わせたサマータイム(夏時間)の導入について、政府・与党で検討する考えを示した。無論、反対意見も根強く五輪の暑さ対策のためだけにサマータイムを導入することでの経済的リスクや全国を対象とする混乱などが懸念され、五輪自体も朝早く競技がスタートしても午後の競技は暑い時間のピークに当たることは変わりがないことなど、現実的ではないとの声が多い。いまさら何を言い出すのか。それは招致した時からわかっていたことではないのか。
★そもそも東京五輪招致のための最終プレゼンテーションで首相は「フクシマについてお案じの向きには、私から保証いたします。状況は統御されています(アンダー・コントロール)。東京にはいかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも及ぼすことはありません。汚染水は福島第1原発の0・3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている。健康に対する問題はない。今までも、現在も、これからもない」は本当なのか。組織委員会はよほどこちらを優先的に調査し、世界に向けて大会直前に検証報告できるのかが問われているのではないか。
★競技団体からも過去の体育的体質からスポーツへ脱皮する苦悩が続いている。過去の柔道、最近ではレスリングやボクシングだ。選手やコーチたちはうみをだし切ろうとしているにもかかわらず、組織の幹部連中はその変化に対応できていないようだが、国民にさまざまな負担も強いる中で、政府は国民に何を求めているのか。協力か強制か。1度整理する時期に差し掛かっているのではないか。(K)※敬称略