(政界地獄耳)壊し屋「最後の」政界リセット - 日刊スポーツ(2018年7月17日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201807170000275.html
http://archive.today/2018.07.17-010826/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201807170000275.html

★15日、自由党の会合で同党代表・小沢一郎と元首相・小泉純一郎が30年ぶりに同じ席に立った。講演で小泉は「小沢さんからこんな話がくるとは、夢にも思わなかった」と講演依頼に驚くとともに「小沢さんとは、味方になったり敵になったりしたが、政界は敵と味方はしょっちゅう入れ替わる。わだかまりはない」「原発ゼロに与党も野党も保守も革新もない」とタッグを強調した。
★2人の関係修復は原発ゼロを核に先の新潟知事選挙からといえる。「今まではどちらかというと野党系、革新系、いわゆる左派系の人たちが多かった。これからはね、保守の人が、保守といわれた人たちが原発ゼロの声を上げていくのが大事じゃないですか。与党も野党もない。保守、革新もない。そういう国民運動を盛り上げるためには保守といわれたね、小沢さんと私が、原発ゼロにしなきゃいかんと言ってやっていくのは大事じゃないかと思っている」と講演後に話す小泉の思いには「原発ゼロ&脱原発」を中心に据え、野党の再結集を促す思いが見え隠れする。
★小泉の講演を聞いていた政界関係者は「自民党の政治姿勢がおかしくなっていること。自民党の崩壊に危機感を持っている、つまり日本の政治の在るべき姿や、安倍政権の強引な政治手法とそれを阻止できない党内勢力やメディアにも憂いを持つ政界OBや重鎮たちのエネルギーの塊が生まれたのではないか」と指摘する。革新が言い続けた脱原発を保守政治家が言い出すとは価値観の転換。それは国民の中にある、右だ左だなどの常識というレッテルを剥いでいく作業なのではないか。自民党だから言えない、野党だから野党の立場を守らなければいけないなどという狭い了見を乗り越えろということなのだろう。これは政界壊し屋の小沢と自民党をぶっ壊すの小泉の最後の政界リセットなのだろう。国民、政界、メディアの常識が覆されるか、その岩盤は固いか。闘いが始まる。(K)※敬称略