https://ryukyushimpo.jp/column/entry-756880.html
http://archive.today/2018.07.08-015221/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-756880.html
「戦争を逃れて米国に渡ったシリア人兄弟がやってます」。お昼時、米首都ワシントンに並ぶ移動型飲食販売のフードトラックで見つけた案内文
▼サバーグさん兄弟は昨年、母譲りのレシピでフードトラックを始めた。美しい故郷は内戦で荒れ果て、安全を求めて米国に来たという。「皆さんに『おいしい』と言ってもらい感謝している」。楽しい会話の後、初めてのシリア料理に舌鼓を打った
▼数週間後、あるニュースにめまいがした。アイダホ州のアパートで3歳児の誕生会に刃物を持った男が乱入し、子ども6人を含む9人を刺した。被害者にシリアやイラク、エチオピアの難民が含まれ、誕生日の主役だった女の子の命が奪われた
▼同じアパートに住む容疑者が退去要求に腹を立て犯行に及んだとみられている。難民を支援する国際救済委員会は「戦争や紛争の恐怖から逃れ、安全な場所を求めて来た人々や子どもがまた暴力を受けてしまい胸が痛む」と声明を発表した
▼紛争、政治不安、迫害。各地で土地を追われ、暴力にさらされる人々がいる。国連児童基金(ユニセフ)によると、紛争で避難生活を余儀なくされている子どもの数は推定3千万人。第2次世界大戦以来最多という
▼人々の暮らしを、子どもたちの笑顔を守れる世界はいつになったら訪れるのか。移民政策で揺れる国から考える。