司法取引導入で「公判変わることを期待」 最高裁長官 - 東京新聞(2018年5月3日)

https://www.asahi.com/articles/ASL4V6J0JL4VUTIL050.html
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最高裁の大谷直人長官が3日の憲法記念日を前に、恒例の記者会見をした。他人の犯罪を捜査機関に明かす見返りに、自身の刑事処分を軽くする「司法取引」が6月1日から始まることについて問われ、「適切に運用され、取り調べや供述調書に過度に依存していると指摘されてきた捜査、公判の姿が変わることを期待したい」と話した。
司法取引をめぐっては裁判官が供述の信用性をどのように見きわめるのかや、「真相解明」への貢献を量刑にどう反映させるか、などが課題とされている。大谷氏は司法研修所などで研究を重ねていると述べ、「適正な事実認定と量刑判断が行われるよう、議論を深めていくことが欠かせない」と語った。また、政府の有識者検討会が3月、民事裁判の「全面的なIT化をめざす」とした提言については「様々な分野でIT化が進められ、広く国民に受け入れられている。真に望ましいIT化に向けて検討を進める責任がある」と話した。
大谷氏は憲法改正についても聞かれたが、「国民的な議論を深め、その方向性を決すべき問題。具体的事件について裁判の場で憲法判断をする最高裁長官が、憲法改正に関する議論について所感を述べるのは差し控えたい」と答えるにとどまった。(岡本玄)