(政界地獄耳)流れ読めない安倍チルドレン - 日刊スポーツ(2018年3月23日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201803230000261.html
http://archive.today/2018.03.23-013016/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201803230000261.html

★最近の政界の現象は、いわば今までと全く逆の感覚を生み出している。安倍政権は、安定的な高支持率に絶えず支えられていた。15年6月には、安保法制強行採決で支持率が急落。また昨夏、森友・加計学園疑惑で首相・安倍晋三が、野党の攻撃にむきになって対応した時も、支持率が急落した。いずれもその後の支持率が好転したが、首相は「謙虚に、真摯(しんし)に丁寧に」としのいできた。そしてそこには、何かとお騒がせな安倍チルドレン、魔の3回生がいた。
★安倍人気で大量に当選。2度目の選挙が早かったため、今の3回生は当選を重ねるのが早いといえる。約100人いる同期は大方政務官に就任。内閣の一員となり、政務を学ぶ。その3回生の中にも先頭を走るものと中堅、後方のランナーがいるが、当時、いち早く政務官などのポストにありついて、同期をリードしていたのが、前衆院議員の豊田真由子らだ。彼女たちも高級官僚からの転身組。結局、優秀なキャリア官僚たちが党の中心を担っていくという自負もあったかも知れない。ではなぜ転落したのか。官僚たちは政治の理不尽な要求に耐え続け、いつか政治家になって命じる側を夢見たのだろうか。
★最近の参院予算委員会を見ていても、自民党から繰り出す質問者はいつものように、そして安倍チルドレンなら当然のように、それが時に強引で詭弁(きべん)であっても、安倍擁護につながるような質問をする。彼らはその成功体験でここまで来た。ところが今の党内トレンドは、いかに安倍批判をするかということ。党幹部をはじめ筆頭副幹事長・小泉進次郎までが、首相と距離を置く。一方、首相を擁護して歯切れが悪い党政調会長岸田文雄は、党内で評判が悪い。流れの早い党の空気を読み切れないチルドレンたち。彼らが取り残される日は近い。(K)※敬称略