(政界地獄耳)自民党は壊れたのか…ベテラン秘書嘆く - 日刊スポーツ(2018年3月20日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201803200000213.html
http://archive.today/2018.03.20-040756/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201803200000213.html

★19日、参院予算委員会で質問に立った自民党和田政宗は「『やましいことがあれば国会議員を辞める』という決意は、政治家として肝に銘じておくべきこと。その覚悟が褒められるなら分かるが、批判される意味が分からない」、財務省に対して「書き換えでどれだけ国民を怒らせどれだけ国会を空転させたか」「自民党にも官邸にもうそをつき通した」と攻め上げ、また、理財局長・太田充が民主党政権時代に前首相・野田佳彦の秘書官を務めていたことに触れ「安倍政権をおとしめるために意図的な答弁をしているのではないか」と嫌みで攻めた。
★さすがに太田も「私は公務員として一生懸命お仕えするのが仕事。それはいくら何でもご容赦ください」と反論した。このやりとりを聞きながら自民党ベテラン秘書がため息をつく。「13日に開かれた参院予算委での中央公聴会で、自民党は過労死自殺事件を過去に起こした居酒屋チェーン『ワタミ』を展開する創業者の参院議員・渡辺美樹を質問者に選び、『働くのは悪いことか』とか『週休7日が幸せなのか』と過労死した労働者のご遺族ら公述人に問うた。なぜ渡辺を充てたのか。渡辺は後日謝罪したものの、もう自民党は壊れてしまったのではないか」と嘆く。
★また別の秘書は「自民党は2000年の小泉政権のころから、『いいからやれ』といった高圧的な指示が増えてきた。権限を持てば選挙で勝っているのだから何でもできると勘違いする幹部が増えてきた。こんな党ではなかったはず」と解説する。穏健な保守をひとつの柱としていた自民党はどうしてこうなってしまったのか。どの秘書たちに聞いても「選挙制度」という声が返ってくる。確かに得票以上の議席を取ることが出来ることは政権交代を可能にしたが、選挙区や有権者の関係を壊した部分もある。公認を取るため執行部には頭が上がらず、守ってくれるはずの派閥も壊れた。新人は2世、3世ばかり。与党の人材不足も叫ばれる。どうなる自民党。(K)※敬称略