http://biz-journal.jp/2017/09/post_20718.html
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森友告発プロジェクトでは、5月22日の告発状提出以降も、その後わかった関連情報を東京地検に追加で提出してきた。
6月18日には、豊中市への情報公開請求で資料「平成23年度大阪国際空港場外用地(0A301)土壌汚染深度方向調査業務報告書」(2012年2月/大阪航空局作成)が見つかった。そこに示された地層図や柱状図によって小学校建設予定地の3m以深にごみがないことが記載されていたが、この資料は今回の格安払い下げ時に3m以深に2万トンの埋設ごみがあると算定した大阪航空局自身が、算定の4年前に作成していたものだった。つまり深部にごみがないことを知りながら、8億円の値引きのために2万トンのごみを虚偽に仮装していたことを示す重要な資料であり、背任罪の要件である「故意性」を示す決定的な証拠であった。
さらに7月7日には、森友学園の建設工事の元受け事業者(藤原工業)が大阪府豊中市に提出した公文書「産廃マニフェスト」によって、2万トンのごみがなく、そこには194.2トンのごみの記載しかなかったことがわかったが、埋設ごみがなかったことを意見書として届けていた。しかも記載されていたごみは「新築混合廃棄物」であり、埋設ごみはなかった。http://biz-journal.jp/2017/09/post_20718_3.html
国民的な課題
8月の内閣改造後、安倍首相は「丁寧に説明する」といったものの、野党による臨時議会開催の正式要求は3カ月も延ばし、そして今、9月28日にようやく開催される臨時国会は、冒頭で解散し、総選挙に入るという。民意を聞き反映させるための総選挙を、首相が自らを守るための安全装置として利用しようとしている。
森友問題が全国的な注目を浴びたのは、国会での福島伸享議員(民進党)の質問に、安倍首相が「私や妻が関与していれば、議員を辞職する」と答えたことが出発点にあった。安倍首相が便宜を図った籠池氏は3月初め、森友学園の小学校建設の申請を取り下げた後は、安倍首相夫人から100万円の寄付を受け取ったと証人喚問で証言し、安倍首相夫妻の関与を決定づけた。
それを受けて安倍首相は、この100万円寄付問題を念頭に置きながら、「辞職すると発言したのは、(寄付自体はなんら違法な行為ではなく、)不正に関与していれば、という意味であった」と自らの発言を訂正していた。
これが最大のポイントになる。便宜供与を図った財務省や国交省が、違法で不正な行為を行っていたことが実証されれば、改めて安倍首相の責任問題が俎上に上ってくることになる。
その意味で、前出「産廃マニフェスト」によって、2万トンあるとされた3m以深の埋設ごみがなかったという事実は、不当に値引いた官僚の背任行為を決定的なものとすると同時に、安倍首相による不正への関与を示している。
産廃マニフェストについて全国紙やテレビの報道はなぜか腰が引けた状態にあるが、国有地の8億円値下げの根拠とされたごみがなかったという事実の報道が広がれば、背任と公用文書毀棄罪の容疑がある佐川国税長官の逮捕・罷免、さらには安倍首相の引責辞任がみえてくる。
(文=青木泰/環境ジャーナリスト)