(政界地獄耳)ヒトラーから離れられない麻生 - 日刊スポーツ(2017年8月31日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1880450.html
http://archive.is/2017.08.31-011115/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1880450.html

★副総理兼財務相麻生太郎ヒトラー失言は即座に撤回されたものの、この元首相は、その失言の多さで失脚したも同然。自民党を下野させたにもかかわらず、学習しない。現在は副総理としての資質が、再度問われることになった。
★思えば首相在任中は漢字が読めないとか、失言のオンパレードで、時の官房長官河村建夫が連日、麻生の失言の言い訳やフォロー、経緯の説明、解説に明け暮れた。前後を省いたり、政治家としてさまざまな立場の人たちを見渡して話すことができず、重大な資質が欠落していると言わざるを得ない。
★いちいち挙げたら切りがないが、麻生のヒトラー賛美は今に始まったことではない。例題にナチスヒトラーをすぐ出す麻生は、絶えずそこに思いがあるからだろう。ヒトラー礼賛が念頭にない限り、その場の例題には出てこない。今回は29日の自民党麻生派の研修会で出た「(政治家は)結果が大事だ。何百万人殺しちゃったヒトラーは、いくら動機が正しくてもダメなんですよ」の発言だが、思わず出た軽口ととらえることはできない。逆に原稿があるなら、なお問題だ。
★13年7月、麻生が副総理兼財務・金融相時代の講演で、憲法改正について触れ「ドイツのワイマール憲法も、いつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうかね」と発言。08年8月の党幹事長時代には「審議をしないとどうなるか。ドイツでは昔、ナチスに1度(政権を)やらせてみようという話になった」と、すぐに例題に使おうとする確信犯だ。
★30日午前、麻生は「ヒトラーを例示として挙げたことは不適切であり、撤回したい」との文書を発表したが、今後麻生内閣があるとしたら、第三帝国を夢想しているのだろうか。お粗末極まりない。(K)※敬称略