https://mainichi.jp/articles/20170721/ddm/001/070/176000c
http://archive.is/2017.07.21-001008/https://mainichi.jp/articles/20170721/ddm/001/070/176000c
多くの地域できょうから始まった小学校の夏休みは明治時代、すでに制度化されていた。1881(明治14)年、当時の文部省は「夏季冬季休業」を取るよう通達している。冬休みが長い北海道や東北などを除いては、7月下旬から8月末までを休むパターンが広く定着していた。
その夏休みが、このところ短縮化の波に洗われている。大阪市はこれまで9月1日が原則だった市立小学校の2学期の始業式を今年から8月25日に1週間前倒しする。
東京都の場合、都内約1300校のうち450を超す公立小学校が8月31日を待たずに休みを終える。各地の夏休みが短くなってきたのは、授業時間数の確保などに対応を迫られている事情がある。
夏休みの「16日程度」への大幅な短縮を検討する自治体も現れ、注目を浴びている。静岡県吉田町で、休みを縮める代わりに普段の1日の授業時間数を減らし、子どもの学力向上などにつなげる狙いだという。ひとつの考えだが、保護者からは賛否両論あるようだ。
夏休みをめぐっては、1週間程度を別の時期に移して大型連休化する「キッズウイーク」を政府が進めようとしている。実現すれば、これも休み期間の短縮につながるだろう。
どうやら、夏休みを取り巻く環境は大人の事情で厳しくなる一方のようである。ただ、子どもたちが読書に親しんだり、自然になじんだりする機会であることは変わらない。その日数とともに、子どもの好奇心までやせ細りはしないかと、少し心配になる。