(政界地獄耳)改憲論議にもブレーキ、どうなる安倍内閣 - 日刊スポーツ(2017年7月7日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1851334.html
http://archive.is/2017.07.07-020157/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1851334.html

★政局は内閣支持率の低空飛行を続けながらも、政党支持率が落ちないことをよりどころに首相・安倍晋三を消極的に支えていくのか、ポスト安倍を模索するのか。自民党の議員たちは地元に帰り、党所属議員たちの情けなくなるような体たらくさの批判を浴びながら、その逆風の強さにあらためてたじろいでいるといった状況だ。
東京都議選の結果の総括を、なぜか自民党は行わない。すでに敗因や問題点は明白だからだろうか。森友・加計学園疑惑での首相の激高ぶりや、官房副長官萩生田光一のあいまいな説明、元文科相下村博文の闇献金疑惑など、首相につながる関係者の問題がめじろ押し。それでなくとも安倍チルドレンと呼ばれる「魔の2回生」たちの不祥事で、有権者たちは不信感の塊といえる。その中で公明党代表山口那津男は5日の会見で「政権の課題は経済再生の推進だ。憲法は政権が取り組む課題ではない」とした。
★「明らかに首相の求心力が落ちている。改憲は衆参3分の2以上の数と政権の高支持率なくして実現しない。そして政権や内閣が音頭を取る仕事ではないという分かり切った筋論を、わざわざ会見で発言した。憲法改正どころではないだろうということだ」(官邸筋)。首相はインタビューで「改憲スケジュールに変更はない」と明言したが、5日の憲法改正推進本部の全体会合も低調で、首相の勢いでここまで来た憲法論議にもブレーキがかかったといえる。「こうなるとやることなすこと裏目に出る。ポスト安倍の動きは水面下で進行しているようだが、党内の安倍1強の息切れ感は否めない」(中堅議員)。内閣改造人事で入閣手形を乱発してみても、改造後の展望が全く見えていない。どうなる安倍内閣。(K)※敬称略

公明代表、憲法改正「政権の課題ではない」 - 日本経済新聞(2017年7月5日)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS05H14_V00C17A7EAF000/
https://megalodon.jp/2017-0705-1735-06/www.nikkei.com/article/DGXLASFS05H14_V00C17A7EAF000/

公明党山口那津男代表は5日の記者会見で、安倍晋三首相が意欲を示す憲法改正について「政権が取り組む課題ではない」と明言した。「政権の課題は経済再生だ。そこにひたすらまい進する」と語り、経済再生を優先すべきだとの考えを示した。山口氏の発言は改憲を優先課題に掲げる首相をけん制したもので、改憲論議衆院解散戦略に影響を与える可能性がある。

山口氏は自民党内の改憲案作成に向けた動きに関しては「自民党内の様々な状況認識を含めて見守りたい」と述べるにとどめた。衆参両院の憲法審査会で各党の合意をつくり、国民の十分な理解を得ることが必要だと強調。「与党の枠組みはただちに憲法の議論につながるものではない」との認識を表明した。

首相は2020年の新憲法施行を目指し、年内の自民党改憲案のとりまとめ、来年通常国会での発議の段取りを描いているとみられる。公明党内には東京都議選での自民党の歴史的な惨敗を受け「局面が変わった。憲法改正を無理に進めたら失敗する」との声が強まっている。