高3生らが選挙学ぶ 市長選前に横浜・桐蔭学園で講演会;神奈川- 東京新聞(2017年6月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201706/CK2017061802000157.html
https://megalodon.jp/2017-0618-1939-21/www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201706/CK2017061802000157.html

7月16日告示の横浜市長選を前に、有権者としての心構えや民主主義の重要性を説く講演会が横浜市青葉区桐蔭学園であり、選挙権を得る年齢を迎える高校3年の男子部と女子部、中等教育学校6年の計1000人が耳を傾けた。 (志村彰太)
講演会は十五日に開催。桐蔭横浜大法学部の森保憲(やすのり)教授(憲法学)が登壇し、「選挙権が昨年、十八歳以上に引き下げられた。皆さんは社会に出て選挙を学ぶ前に投票をしなければならない」と語り始めた。
君主主権から国民主権になった歴史的経緯を説明し、「有権者が、国を運営する代表者を選ぶ」という間接民主制を紹介した。そして「有権者は代表者を選ぶ過程のみに参加する。その後の国の運営が見えないから、人ごとのようになってしまう」と低投票率の背景にある「無関心」の問題を指摘した。
その上で「選挙は、自分たちのことを決めているんだという意識が必要」と強調。新聞、テレビなど複数の情報源から候補者や政策を十分に調べて投票し、選挙後も議員や首長を監視する必要性を説いた。
生徒からは「投票したい候補者がいない場合は?」「若者が政治に無関心という指摘があるが?」などの質問が出た。森教授は「特定の政党に政権を取らせないために投票する次善の選択もある」「無関心というより、選挙に行っても何も変わらないという失望感があるのでは。自分の一票は小さな力だが、一票から(大きな動きに)広げていく考え方が要る」と答えた。
講演を聞いた男子部の長谷川玄(げん)さん(17)=青葉区=は「昨年の参院選は親に付いていって投票所まで行った。入り口で待っていたら、大人たちがそこに貼ってあるポスターを見て投票する候補者を決めていた。事前に候補者のことを調べる重要性が今日分かった」と話し、「市長選の時には十八歳になっている。子育て政策の違いで候補者を選びたい」と話した。
女子部の服部碧(みどり)さん(18)=大和市=は「選挙があったら投票はしたい。でも、受験勉強がある中、情報収集や投票所に行く時間の余裕があるか…」と考え込んでいた。