(政界地獄耳)公務員辞めないと本音言えないのか - 日刊スポーツ(2017年6月13日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1839346.html
http://archive.is/2017.06.13-054856/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1839346.html

自民党に離党届を提出した衆院議員・若狭勝。元東京地検特捜部副部長の経歴を持つ。9日には、元TBS記者・山口敬之に係る準強姦(ごうかん)罪の被疑事件について、ネットで私見を披露している。「所轄警察署が告訴状を受理した上、カメラ映像の分析などの捜査をした結果、その疑いが相当程度にあるとして、裁判官に逮捕状を請求した。所轄警察署の現場警察官も、昨今の冤罪(えんざい)事件に留意し、記者という身分にかんがみて、逮捕時の影響も考慮しながら、慎重な判断のもとで逮捕状の請求に至ったと思われる」。
★経緯の説明の後「裁判官も逮捕の理由と必要性を認定し、逮捕状を発付した。しかしこともあろうに、なんと、警視庁本部中村格刑事部長(当時)からの突然の指示で、逮捕状の執行が見送られた。私は、逮捕状とその執行実務に精通している。その私の目からすると、通常ではあり得ない事態。この種の犯罪で、所轄警察署が入手した逮捕状につき、警視庁本部刑事部長がその逮捕状の執行をストップすることは、通常絶対にあり得ない」と、その異常性を記している。
★結局、公務員は公務員を辞めないと本音、または事実を言えないのだろうか。それほど国民には説明できない秘密を抱え、または出世のために、国民にうそをつき続けているのだろうか。それとも与党の命令は、超法規ばかりが要求されるのだろうか。無論、そういう環境に立場上追い込まれる人と、そうでない人もいるだろう。しかし、政界や官邸に関わると、超法規がまかり通るなら、逮捕状が請求されても逮捕を免れたり、あるものをなかったことにしろと要求されるものなのだろうか。重要な立場にある公務員はみんな政治のため、与党のためにうそをついているのだろうか。公務員は被害者なのか、それとも消極的加害者か。(K)※敬称略