<加計学園>幕引き急ぐ与党 国会延長を望まず - 毎日新聞(2017年6月5日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170605-00000110-mai-pol
http://archive.is/2017.06.06-012451/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170605-00000110-mai-pol

学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設問題を巡り、政府・与党が幕引きを急いでいる。野党の追及の場となる国会を予定通りに閉じることを最優先させ、会期延長は回避する方針だ。問題が予想以上に長引き、政権に深刻なダメージを与えることになりかねないとの危機感も高まっている。
「会期延長せずにいきたい」。首相官邸内からはこうした本音が急速に漏れ始めている。
政権が苦境に立たされるのは「官邸の最高レベル」の圧力があったとされる文書の存在をあいまいにし、文部科学省前川喜平事務次官の証人喚問にも応じない強気の姿勢が、ここにきて裏目に出ているためだ。
問題の広がりを懸念し、調査や証人喚問などを一切拒否する戦術を取ったが、文科省内で情報が共有されたとされる電子メールなど、新たな文書が次々と明るみに出た。自民党下村博文幹事長代行は5日の記者会見で「私的メールまで全部調査するということはする必要はない。判断は適切だ」と火消しを図ったが、早期閉会以外の幕引きは難しくなりつつある。
会期通りに閉会することを前提に、残る焦点は「共謀罪」の成立要件を改めて「テロ等準備罪」を創設する組織犯罪処罰法改正案と、性犯罪を厳罰化する刑法改正案に絞られてきている。
与党は「共謀罪」法案については13日に参院法務委員会で可決、14日に参院本会議で成立。刑法改正案については15日の法務委で可決、16日に成立させる日程を想定している。
だが「共謀罪」法案の成立阻止を図る野党は5日、参院法務委の秋野公造委員長(公明党)が6日の審議を職権で決めたことに反発。秋野氏の解任決議案提出の検討を始めた。加計問題でも民進党野田佳彦幹事長は記者会見で「予算委の集中審議などもっと究明するための機会をつくっていかなければいけない」と強調。徹底抗戦の構えをみせており、与党の想定通りに進むかは不透明だ。
一方、刑法改正案は野党も賛成している。世論の関心も強い。会期末の混乱で今国会成立が見送られた場合、野党側にも「野党のせいで成立しなかったと批判される」と懸念する声がある。
与党としては、刑法改正案を「人質」に野党側をけん制しつつ、「共謀罪」法案の成立を最優先したい考えだ。【田中裕之、樋口淳也】