森友学園の報告違い 松井知事「補助金詐欺なら刑事事件」 - NHK(2017年3月7日)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170307/k10010901531000.html
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大阪・豊中市の国有地の売却問題で、学校法人「森友学園」が、小学校を開校する総事業費として、大阪府に報告した額の3倍近いおよそ21億8000万円と国に報告していたことについて、大阪府の松井知事は「補助金詐欺なら刑事事件になる」と述べ、厳しく批判しました。
大阪の学校法人「森友学園」は、国から売却された豊中市の元の国有地に、来月、小学校を開校する計画ですが、総事業費を国におよそ21億8000万円と報告していた一方、大阪府にはおよそ7億5000万円と報告していたことが明らかになりました。
大阪府によりますと、森友学園は「国には最大限の費用を報告して補助金を申請したが、大阪府への報告が正しい。もらいすぎた分の補助金は返還する」と説明しているということです。
さらに森友学園は、これまで大阪府の私学審議会に、「愛知県の中学校から、推薦入学の枠を提供してもらうことで合意している」と報告していたのを、6日になって、合意はしていないと訂正しています。
これについて、大阪府の松井知事は「コンサルタントのミスと言うが、こういうミスをするだろうか。これはミスというレベルではない。補助金詐欺なら刑事事件になる」と述べ、厳しく批判しました。
松井知事は、森友学園の報告の内容を確認するのに時間がかかるなどとして、今月中の認可は難しいという認識を示しています。

「総事業費7億5000万円」の経緯
森友学園が来月の開校を目指している小学校については、先月開かれた大阪府の私学審議会で、入学者が定員を割り込み辞退者も出ている中、安定した学校運営ができるのか、危ぶむ意見が相次ぎました。
森友学園は「寄付金は計画以上に集まっているが、160人の児童の募集に対し、志願者は45人程度にとどまっている」と説明したうえで、開校からおよそ2年で黒字になるとする収支計画書を提出しました。
計画書によりますと、初年度の平成29年度は1億円余りの赤字となるものの、平成30年度以降は定員の100%の児童が入学し、さらに平成31年度にはおよそ166万円の黒字になるとしています。
また、入学者を安定的に確保するため、体験授業や見学会を頻繁に行い、保護者による口コミに期待するなどとしています。
開校の予定日が迫る中、小学校の認可を得るため、安定した学校運営ができることを示す内容になっています。
森友学園は、この収支計画書で、校舎の建設などにかかる総事業費をおよそ7億5000万円と報告しています。
一方、国への報告では、総事業費が21億8000万円となっているため、大阪府が説明を求めたところ、森友学園代理人の弁護士は「国には最大の見込み額を提出したようで、最終的な事業費に応じて補助金が減額されることは了解している」などと話したということです。
大阪府は、国に提出した契約書の写しを出すよう求めているほか、今後、総事業費が変わる可能性について、森友学園に説明を求めています。

国から受けた補助金
森友学園が国から受けていた補助金は、木材を使った建物の建設費用の一部を助成するものです。
この制度は、木材の積極的な利用と技術を促進するためとして、平成22年度から始まり、昨年度(平成27年度)は、森友学園を含めて8件の事業が選ばれました。
事業の申請窓口となっている社団法人の資料では、校舎のイメージ図や模型の写真が示され、「かつての日本の学校建築の雛形(ひながた)であった、木造校舎を髣髴(ほうふつ)とさせる学舎で、新しい時代の幼年教育の場を作ることを目指している」などと、学園側の狙いが記されています。
この補助金の上限は、設計費の2分の1、工事費の3.75%とされていて、森友学園側は、総事業費を21億8000万円、補助金の額を1億1800万円余りと国に申請していました。
専門家を交えた検討の結果、補助対象の設計費と工事費はおよそ15億2000万円と算定され、6194万円を助成することになり、先月までに5644万円余りが支払われているということです。
国土交通省は、学園側が国に申請した事業費が、大阪府に報告された事業費の額と大きく食い違っているという問題を受けて、6日夜、補助金の申請をした代理人設計事務所に問い合わせましたが、「提出している資料がすべてです」という回答が寄せられたということです。
国土交通省住宅生産課は、「大阪府に提出されている事業費が何を指すのかがまだわからず、大阪府にも確認をしている。これまで提出されている資料を見た印象では、事業費や内容に違和感はないが、もし不正が行われているのであれば、法にのっとって対処する」としています。<<