アカデミー賞 トランプ氏批判一色 受賞のイラン人監督「偏見打ち破るのが映画」 - 東京新聞(2017年2月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201702/CK2017022802000121.html
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【ニューヨーク=北島忠輔】米ハリウッドで二十六日に行われた映画の祭典アカデミー賞の授賞式では、イスラム圏からの入国禁止や不法移民の摘発強化などを主張するトランプ政権に対し、厳しい批判が繰り広げられた。
ひときわ会場が沸いたのは外国語映画賞にイラン人監督アスガル・ファルハディ氏の「セールスマン」が選ばれた時。「分断が恐怖を生み、人権や民主主義を脅かしている。国籍や宗教に対する偏見を打ち破ることができるのが映画だ」。イスラム圏七カ国からの入国を一時禁止した大統領令に反発して欠席した監督のメッセージが読み上げられると、拍手に包まれた。
トランプ氏が建設を指示したメキシコ国境の壁にも矛先が向いた。アニメ部門のプレゼンターとして登壇した人気俳優ガエル・ガルシア・ベルナルさんは「メキシコ人として、移民労働者として、また人間として、私たちを引き裂こうとする壁の建設には反対する」と語った。長編アニメ賞に選ばれた「ズートピア」のメンバーも「他者を信じることは、恐れることよりも力強いとアニメで証明したかった。社会の分断に対して必要なのは寛容だ」と訴えた。
司会のジミー・キンメル氏は冒頭のスピーチで「ハリウッドは年齢や体重で差別をするが、国籍では差別をしない。大統領は明日の午前五時に今夜のことをトイレからツイッターに投稿するだろう」とジョークを飛ばし、笑いを誘った。