少年法の保護対象「18歳未満」を検討 引き下げ諮問へ - 東京新聞(2016年12月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201612/CK2016122102000124.html
http://megalodon.jp/2016-1221-1000-58/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201612/CK2016122102000124.html

罪を犯した少年の刑事手続きや保護処分などを定める少年法の保護対象年齢について、法務省が現行の二十歳未満から十八歳未満への引き下げに向けた検討をしていることが分かった。同省は民法成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる改正案を来年の通常国会に提出しようとしている。これを踏まえ、来年中にも法制審議会(法相の諮問機関)に少年法の保護対象年齢の引き下げについて諮問するとみられる。
少年法は重大事件が起きる度に厳罰化の方向で改正され、現在は、十六歳以上の少年が殺人や傷害致死危険運転致死などで故意に人を死亡させた場合、原則として検察官送致(逆送)される。逆送されれば検察官は原則起訴し、刑事裁判が行われる。
新たに、少年法の保護対象年齢が十八歳未満に引き下げられれば、通常の刑事手続きが行われ、保護観察や少年院送致などの保護処分は行われなくなる。例えば、十八歳が万引や自転車盗など比較的軽い罪を犯した場合、警察が送検しない微罪処分起訴猶予、罰金刑で手続きが終わる。日弁連は「保護処分がないことで、少年を立ち直らせるための機会が減少し、再犯のリスクが高まる」など引き下げに反対している。
二〇〇七年に投票権年齢を十八歳以上とする国民投票法、昨年六月には選挙権の年齢を十八歳以上にする改正公選法が成立。昨年九月に自民党が、民法成人年齢を十八歳に引き下げ、少年法の適用年齢を十八歳未満とすべきだとする提言をまとめた。

少年法適用を18歳未満に引き下げた場合の対策案

  • 少年更生のための保護処分である少年院送致や保護観察に準ずる新たな処分を導入する
  • 受刑者にも少年院のような教育を受けられるようにする
  • 保護観察付き判決を受けて執行猶予期間中に再犯すると、現行では実刑しか言い渡せないが、再び執行猶予にできる制度を導入する
  • 保護観察になった人に、必要に応じて医療機関への受診や福祉機関への相談を義務付ける