学芸大付高 いじめで骨折報告怠る 元校長ら5人処分 - 東京新聞(2016年11月30日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016113002000116.html
http://megalodon.jp/2016-1130-0954-21/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016113002000116.html

東京学芸大は二十九日、学芸大付属高校(東京都世田谷区)の男子生徒が複数の同級生からいじめを受け、骨折や脳振とうを起こしていたと明らかにした。同大は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」だったにもかかわらず文部科学省への報告が遅れるなど対応が不適切だったとして、当時の校長ら計五人を戒告などの処分にした。
同大によると、男子生徒は昨年五〜九月、体育祭の練習中に転倒させられて手首を骨折したり、同級生の肩に担がれた状態から地面に落とされて脳振とうを起こしたりした。セミの幼虫をなめさせられることもあった。
男子生徒は昨年六月、学校が行ったいじめ調査の定期アンケートで被害を訴えたが、学校側は十分に事実確認をしなかった。
保護者が昨年九月に被害を学校に申し出て問題が発覚。学芸大が調査を進め、今年三月に文科省に報告した。世田谷署は五月、傷害容疑で生徒二人を書類送検した。
同大は当事者の学年やいじめをした生徒の人数などは明らかにしていない。関係者によると、男子生徒は不登校になっている。学芸大の出口利定(としさだ)学長は二十九日の記者会見で「認識不足で報告が大幅に遅れ、被害生徒や保護者を苦しめることになった」と謝罪した。