築地市場の存続検討 耐震強化、移転案と並行 都PT - 産経新聞(2016年11月19日)

http://www.sankei.com/politics/news/161119/plt1611190007-n1.html
http://megalodon.jp/2016-1119-1014-31/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161119-00000060-san-soci

築地市場(東京都中央区)から豊洲市場江東区)への移転が安全面での懸念などから延期されている問題で、都の「市場問題プロジェクトチーム(PT)」が築地の老朽化した施設の耐震性を強化して存続させる案の検討を始めたことが18日、関係者への取材で分かった。高額な維持管理費や豊洲のイメージ悪化などを背景に築地の業者が豊洲に移るか不透明として、移転案と並行して精査する必要があると判断したもようだ。
小池百合子知事は18日の定例会見で、移転を決めた場合は移転時期が最も早くても1年後になるとする工程表を発表したが、「まだ豊洲移転が確実とはいえない」と述べた。小池氏は移転に向けての検証、準備を進めていく一方、築地の耐震強化案の課題なども整理し、移転の可否を総合的に判断する。
小池氏の指示で豊洲の経費などを検証するPTは、移転後の年間維持管理費が築地の約4・9倍の約76億5800万円と試算されていることを問題視。コスト圧縮に向けて精査に取り組む方針を固めているものの、PT内では、業者の施設使用料の値上げや、都民の新たな負担増につながりかねないとの懸念がある。
さらに、豊洲の主要施設下で土壌汚染対策の盛り土が行われていなかったことが発覚し、業者側から風評被害を訴える声が噴出。施設の使い勝手の悪さを指摘する声も根強く、業者が豊洲に移らない恐れも出ている。
都は過去に築地での市場再整備を模索した際、費用を3400億円と試算したものの断念した。こうした経緯を踏まえ、PTでは豊洲移転が実現しなかった場合、築地の既存施設の耐震強化で対応することが現実的とみている。
また、小池氏は会見で、築地跡地の地下を通り、2020年東京五輪パラリンピックの競技会場がある臨海部と都心部を結ぶ計画の環状2号線について、地下のトンネル開通が間に合わないため、地上に道路を整備するとした代替案を発表。仮に築地市場を存続させた場合、環状2号線についても再検討が必要になりそうだ。