保育の質、安全確保を 都内の首長ら厚労相と意見交換 - 東京新聞(2016年9月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016092802000117.html
http://megalodon.jp/2016-0928-0943-10/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016092802000117.html

保育の待機児童問題で、塩崎恭久厚生労働相は二十七日、待機児童の多い東京都内などの首長らから現場の実感や要望を聞いた。首長らからは、国が特区で小規模保育所の年齢制限撤廃を検討していることに反対の声や、企業主導型保育施設の安全性を懸念する声が出た。 (柏崎智子)
ビルの一室などに設置されている小規模保育所は、入所が二歳児以下に制限されているが、内閣府は特区で年齢制限の撤廃を検討。小池百合子東京都知事も国に要請している。しかし、動きが活発になる三歳以上の子を狭い施設に入所させることに、保護者や専門家から懸念の声が出ている。
文京区の成沢広修(なりさわひろのぶ)区長は「保護者の就労のために子どもの最善の利益を犠牲にしてはいけない。保育の質にかかわることを特区でやるのは違うと思う」と慎重な対応を求めた。
世田谷区の保坂展人(のぶと)区長は、企業などが社員向けに設置する認可外の企業主導型保育施設について、安全性への懸念を表明。開設時に自治体の審査を受けない上、都などの検査もほとんど行われていない。保坂区長は「都道府県に指導監査の義務付けを」と求めた。
兵庫県明石市泉房穂(ふさほ)市長は「虐待、貧困など子どもの危機対策全般を話し合うべきだ」と提言。塩崎大臣は「子どものニーズにこたえられるよう、しっかりやっていく」と話した。
待機児童対策で大臣と首長の意見交換は今年二回目。この日は十四自治体から参加があった。