発言コロリ 小池百合子氏「築地移転立ち止まる」の真意 - 日刊ゲンダイ(2016年7月23日)

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/186325

これぞポピュリスト政治家の真骨頂だ。
小池百合子候補が22日、11月に移転を控える築地市場を視察。そこで演説し、こう明言した。
「築地の問題については移転に反対している人の声もある。そういう状況の中では、いったん、立ち止まるべきと考えます。さまざまな問題について検証する必要がある」
日刊ゲンダイ本紙既報(19日発売)の通り、これまで小池氏は移転先の豊洲で演説しても築地の問題について一切触れず、記者の直撃を受けても「いま検討中」と曖昧な態度に終始していた。
しかし、築地に行き、移転反対の業者らを前にしたら、発言をコロッと変えたのだ。
演説後、移転に反対する仲卸業者でつくる「躍進する市場の会」が、新市場の開場予定日の延期を求める「要望書」を小池氏に手渡した。仲卸業者のひとりは「延期に期待したい」と明るい表情を見せていたのだが、ちょっと待て、だ。小池氏は「立ち止まる」とは言ったが、「延期する」とは言っていない。実際、記者のぶらさがり取材で、「開場を延期するのか?」と聞かれると、「まずは検証してから」とお茶を濁した。
霞が関の“行政用語”で「検討する」イコール「やらない(検討した結果、やらないことになった)」の意味だというのは有名な話だが、「検証の結果、問題があれば延期する」とまでは絶対言わない小池氏も、同類にみえるし、信用ならない。選挙の票集めのためなら、上っ面の言葉で有権者をペテンにかけるのか。