三反園県知事 川内原発の一時停止と再点検、申し入れへ - 毎日新聞(2016年7月28日)

http://mainichi.jp/articles/20160728/k00/00e/040/199000c
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今月10日の鹿児島県知事選で現職を破り、初当選した三反園訓(みたぞの・さとし)氏(58)が28日、初登庁した。就任記者会見で、国内で唯一稼働している九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(同県薩摩川内市)の一時停止と再点検を8月下旬にも申し入れる考えを知事として正式に表明した。また、県が策定した川内原発の避難計画についても再検証する考えを示した。
知事は「熊本地震を受けて県民が不安に思っている以上はいったん止めて、再点検・再検証すべきだと九電に出来るだけ早く強く申し入れたい」と語った。ただ再点検の具体的な内容や、再点検後に安全と判断する根拠などについては「いろいろな方と意見交換してから私の考えをまとめたい」と述べるにとどめた。その上で県庁内に専門家らによる「原子力問題検討委員会(仮称)」を設置する意向を表明した。
知事は今すぐ廃炉を求める考えはないとみられるが、廃炉についても「検討委で検討する」と言明。「原発に頼らない社会に一歩でも二歩でも近づけていきたい」と繰り返し、「鹿児島を自然再生エネルギーによる社会に転換、変身させていきたい」と強調した。
知事に稼働中の原発を止める法的権限はないが、知事は「権限がないからといって申し入れないというのは違うと思う」と話した。一方、九電は「まだ実際に停止の要請を受けておらず、コメントできない」としている。
テレビ朝日コメンテーターの三反園知事は候補一本化のため擁立を取り下げた反原発団体との間で、九電に川内原発を停止し再調査するよう申し入れることなどで政策合意。川内原発の再稼働を容認した伊藤祐一郎前知事に8万票以上の差をつけて当選した。【杣谷健太】