組み体操 危険性高いピラミッド、タワー 都立校16年度は休止 - 東京新聞(2016年3月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016032490143033.html
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東京都教育委員会は二十四日、全国の学校で事故が相次いでいる組み体操のうち、けがの危険性が高い「ピラミッド」「タワー」の二種目について、二〇一六年度は都立学校で原則休止する方針を発表した。都立以外の公立小中学校に関しては、都教委方針を参考に、地域特性や学校の実情を踏まえて各区市町村教委が判断する。
都教委は四つんばいになって重なるピラミッドと、肩に乗って立ち上がるタワーを休止にする理由として「大人数で形をつくるため、大きな事故につながる可能性が高い。崩れた場合、逃げ場がないなど不可抗力によるけがの危険性もある」と説明。一六年度に実態調査を実施し、一七年度以降の方針を検討する。
休止するのは、都立の高校、中高一貫校、特別支援学校の計二百五十三校。このうち二十三校が、本年度の運動会・体育祭でピラミッドやタワーを実施した。
都教委によると、一六年度は代替の運動種目を実施して教育効果などを比べ、一七年度以降にピラミッドやタワーを実施するか学校ごとに検討する。
ただ、一六年度も休止方針の二種目の実施を強く希望する学校には、何人でどんな形にするのか▽準備や安全対策▽万一事故があった場合の対応−などの実施計画を都教委に提出させて検討し、実施を認める場合があるという。
都教委が設置した有識者検討委員会は今月中旬、一律中止や高さ制限ではなく、各学校が主体的に検討、判断すべきだとする意見をまとめていた。
日本スポーツ振興センターによると、都内の小中高校で一四年度に発生した組み体操事故で、児童生徒が医療機関を受診したのは七百二十八件。うち二百件が骨折だった。
組み体操をめぐっては、都内では、北区が既に安全基準を決めた上で、ピラミッドやタワーなどを禁止する方針を決定。千葉県では流山、柏など七市町が廃止方針を示している。