ベルギーテロ34人死亡 首都の空港と地下鉄で爆発 - 東京新聞(2016年3月23日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201603/CK2016032302000123.html
http://megalodon.jp/2016-0323-0901-17/www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201603/CK2016032302000123.html

【パリ=渡辺泰之】ベルギーのブリュッセル国際空港の出発ロビーで二十二日午前八時(日本時間同日午後四時)ごろ、二回の爆発が起きた。約一時間後、ブリュッセル欧州連合(EU)本部近くの地下鉄マールベーク駅でも爆発が発生し、地元メディアによると空港で少なくとも十四人、地下鉄で二十人が死亡、負傷者は二カ所で百三十人以上に上っている。死傷者はさらに増える可能性がある。警察当局は同時テロとして捜査を開始した。
過激派組織「イスラム国」(IS)系のニュースサイトは同日、IS戦闘員が二カ所のテロを実行したと報道。事実上の犯行声明とみられる。
空港では爆発前、銃声やアラビア語での叫び声が聞こえたとの情報があった。地元メディアは空港の監視カメラがとらえた容疑者とみられる三人の男のうち二人が自爆、当局が一人の行方を追っていると伝えた。
ベルギー内務省は同日、深刻かつ差し迫ったテロの脅威があるとして国内の対テロ警戒水準を四段階の最高に引き上げたと発表。国境を封鎖し出入国を規制している。ブリュッセル空港は閉鎖され離着陸すべての便の運航を中止。負傷者らは病院に搬送され、利用客は安全な場所に避難した。
ブリュッセルの運輸当局は地下鉄駅をすべて閉鎖し、地下鉄以外のバス、路面電車の運行も停止した。ロンドンとパリとを結ぶ高速鉄道ユーロスター」なども運行を取りやめ、影響は国境を超えて広がった。
地元の公共放送は警察関係者の話として、当局が南部ティアンジュの原子力発電所から職員を避難させたと伝えた。
地元メディアは、空港ロビー棟の大半の窓ガラスが爆風で割れて吹き飛ばされ、天井が崩落。利用客らが爆発のショックからぼうぜんとした様子で出発ロビーから滑走路や空港外へと逃げ惑ったと伝えた。
ベルギー治安当局は十八日、ブリュッセル首都圏のモレンベーク地区で、昨年十一月に起きたパリ同時テロ実行犯グループの一人として国際手配され、逃亡していたサラ・アブデスラム容疑者(26)を逮捕した。これを受けヤンボン副首相兼内相は二十一日、報復攻撃や新たなテロなどに備えて警戒を強めるよう各方面に呼びかけていた。
日本の外務省は二十二日、ベルギー滞在者や渡航者に対し、不要な外出を避けるよう注意喚起する渡航情報を出した。