両親から虐待の中学生自殺 相模原市の児相、生徒を保護せず - 東京新聞(2016年3月22日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016032202000225.html
http://megalodon.jp/2016-0322-2224-58/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016032202000225.html

両親から虐待を受けたとして、相模原市児童相談所(同市中央区)に通所していた市内の中学二年の男子生徒(14)が自殺を図り、先月末に死亡していたことが分かった。男子生徒は自宅を離れて施設での生活を希望していた。遺書はなく、児相は自殺との因果関係について明言を避けるが、二十二日の会見で「職権で保護するほどの緊急案件に当たらないと判断したが結果は深く受け止める」としている。
児相によると、二〇一三年、男子生徒の顔にあざがあるのを見つけた学校側が虐待を疑って中央区へ通告。学校と同区とのやりとりを見守っていたところ、一四年五月末、男子生徒が深夜のコンビニに駆け込み、親から暴力を振るわれていると訴えたことから警察が児相に通告した。
児相は親を呼び出し、定期的な通所を開始。親は「子どもとコミュニケーションを取ることに苦労している」として、暴力を認めたが、その後、改善が見られたところから、男子生徒を強制的に保護する措置は取らなかった。しかし一四年十月、親の体調不良を理由に通所をやめた後、生徒は父親から胸ぐらをつかまれて投げ飛ばされる暴力を振るわれ、児相との最後の面談でも施設での入所を求めていた。翌十一月、男子生徒は首をつって自殺を図り、先月末に死亡した。
厚生労働省は、増加傾向にある児童虐待に対応するため強制的に家庭に立ち入るための手続きの簡略化や、ベテラン児童福祉司の配置義務付けなどを盛り込んだ法改正を検討中。