安保法29日に施行 反対半年続く中、閣議決定 - 東京新聞(2016年3月22日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016032202000238.html
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政府は二十二日、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認などを中心とした安全保障関連法の施行日を今月二十九日とする政令と、自衛隊法施行令など関連する二十六の政令改正などを閣議決定した。安保法は二十九日午前零時に施行され、法律として効力を持つ。歴代内閣が禁じてきた集団的自衛権の行使が可能となる。 (金杉貴雄)
安倍晋三首相は閣議で「安全保障に想定外は許されない。法施行はわが国の平和と安全を一層確かなものとする歴史的な重要性を持つ」と述べた。安保法には国民の幅広い支持が欠かせないとして、閣僚に対して「より一層の理解を得られるよう、引き続き協力を願いたい」と呼びかけた。
安保法は成立から半年たった今でも、反対する市民の活動が続いている。民主、共産、維新、社民、生活の野党五党は今年二月、集団的自衛権行使は憲法違反だとして、廃止法案を衆院に共同提出した。
法律は集団的自衛権の行使容認のほか、米軍の戦闘を支援する「周辺事態法」の周辺地域の概念をなくし、「非戦闘地域」に限っていた支援地域を拡大した。新法「国際平和支援法」で、他国軍への支援を世界中でいつでもできるように恒久法化した。国連平和維持活動(PKO)では離れた場所の非政府組織(NGO)職員などを守る「駆け付け警護」や治安維持活動などができるように任務内容と武器使用をそれぞれ拡大。海外で邦人救出も可能とした。
安保法は昨年九月十九日に成立し、同三十日に公布された。同法は公布から六カ月以内に施行することが定められていた。
政府は安保法が施行される二十九日までに、関連する約二十本の府省令、約四十本の訓令も定める。PKOなどで拡大する武器使用の手続きや規範に関する訓令も含まれる。
<安全保障関連法> 安倍政権が2014年7月に閣議決定した憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認や、他国軍への後方支援拡大など、新たな安保政策を反映した法律。自衛隊法など10の法改正を一括した「平和安全法制整備法」と、他国軍への後方支援のため自衛隊を海外に随時派遣できる新法「国際平和支援法」で構成。15年9月に与党などの賛成で可決、成立した。